『戦翼のシグルドリーヴァ』第5話「館山基地合流遊撃隊!」感想メモ

1 園香の見せ場回?

 この回ではやはり渡来園香の人となりがよくあらわれていると感じた。館山にやってきた天塚弥生との複雑な関係性(その関係についてはよくわからないが)ゆえに見せてしまう露骨な不機嫌さが良い意味でも悪い意味でも「こどもっぽい」と思った。

 園香は14歳の軍人である前にまだひとりのこども、少女であることを忘れてはいけない。里見司令との関係は擬似的な父娘関係でもありうる。上記の弥生との関係ゆえに園香が「逃げ込める場所がないだろう」と、わざと司令室を開けておいた里見司令。そして園香もまた司令室に入り込んでくる。(父娘関係の話からは逸れるが、部屋のソファで寝たフリをする園香がスカートの裾をぐっと直す仕草を見て率直に「やってること(司令への甘えだったり愚痴だったり)は年相応の少女だけど、身体の成長とのアンバランスさがあり、思春期少女のコケティッシュが溢れてる場面だ」と思った。が、あくまでも父娘関係、ないし上司と部下の関係に基づく信頼関係だから、一線は越えないのだろうな、とも思う。)

 続けて里見司令について。少女たちに戦闘の最前線に立ってもらうことについての自分の感覚がだんだんと麻痺していくことへの自覚がある。ラーメンの麺が伸びてしまっているのは、つい話し込んでしまい時間が経ったからそうなっただけでなく、少女たちに戦闘を任せている状況に対してすっかり馴れてしまい弛緩している(感覚が間延びしている)ことのあらわれだとも感じる。

 ただ、作戦に入る前、クラウから「わたしたちはチームだ」と言われたことは、園香に対して、おそらくクラウが館山に来る前の関係やいろいろな思いを上書きするなり整理するだけの何かきっかけになるのではないかとも思った。その意味では6話で園香の成長がどのようなかたちで描かれるのか(または描かれないのか)。

 序盤はアズズや宮古にどうしても目が行きがちだったが、園香に対してもひとつ見せ場があってよかったように思う。単純に「どういう子なのか」が今ひとつつかめていなかった。戦歴も長く、軍人としての意識もそれ相応に高い真面目ちゃん(たまに毒舌?)としての姿だけじゃない、彼女の心の揺れや葛藤が見え隠れしていていたように思う。

2 その他

 :宮古の相変わらずの直観の鋭さ。場面状況を把握する的確さ。アズズとは違う意味で頭が良い。
 :アズズのゲーム下手クソさ。三ツ星カラーズの琴葉枠…。ワルキューレを降りる選択肢だってあり得ることに対する葛藤なども(これからの)見所?
 :作画について。序盤の風呂のシーンは言うことなしです。湯船に腰掛けているクラウの腹の肉のあたりとか……アズズの後頭部とか……。戦闘が一段落したら園香も風呂シーンに……。